Web site 概要

 この Web site は、日本大学薬学部物理学研究室の卒業研究「Photogrammetry(写真測量法)に関する研究」の一環として作成されたものです。
 本学部生薬学研究室より提供された生薬標本の写真撮影を行い、オープンソースソフトウェアである Meshroom により3D画像を作製しております。なお、掲載画像につきましては3D画像編集ソフト Blender で修正をしておりますが、画像が乱れている部分もあります。御容赦ください。また、本研究は未だ途上にあり、現在「より精細な3D画像の作成」、「新たな標本の撮影」、「3D画像の色合い」についての課題に取り組んでおります。これらの課題に対して、成果があがりましたら順次 Web site に反映させたいと考えております。
 標本を御提供頂いた本学部生薬学研究室の先生方、本 Web site のコンテンツを作製頂いた本研究室卒業研究生の皆様ならびにサーバー移行に御協力頂いた本学部IT支援室に感謝いたします。

生薬とは

 生薬とは、自然界に存在する植物の葉,茎,根など鉱物、動物のなかで薬効があるとされる一部分を加工して用いる薬のことです。生薬は、自然界に存在しているそのままの状態で使われることは少ないです。泥を落としたり、乾燥させたりなどの加工が必要な場合がほとんどです。加工とは、砕く,乾燥させる,熱を加えるなどをさします。なお、日本薬局方では「生薬は動植物の薬用とする部分、細胞内容物、分泌物、抽出物又は鉱物など」と定義されています。
 生薬として使用できる部位としては、全草も含め、根,茎,葉,花,果実,種子など植物体のあらゆる部位が用いられます。地下茎は形態学的に多様で、根茎,塊茎,球茎,鱗茎などがあります。

漢方薬とは

 漢方薬とは、長い歴史の中で生薬の種類,量,組み合わせなどが工夫されて、薬として確立されたものです。生薬と呼ばれる自然界に存在する植物,動物や鉱物などの薬効となる部分を、通常組み合わせてできており症状を根本から改善していくことが特徴です。また生薬の組合せが変わると、ある生薬の薬効が増強されたり毒性が抑制されたりして、有効性や安全性が大きく変化するのが特徴です。

学名とは

 学名とは属名+種小名+命名者名で表されるものです。日本薬局方の学名表記を用いています。

学会発表

1)小林宏司,矢作忠弘,松﨑桂一
  Photogrammetry による生薬標本の立体画像作成
  日本薬学会第141年会,広島(オンライン),2021・3

2)東田侑大,中野航平,矢作忠弘,松﨑桂一,小林宏司
  Photogrammetry による生薬標本の立体画像作成における写真撮影の方法
  日本薬学会第142年会,名古屋(オンライン),2022・3

3)中野航平,東田侑大,矢作忠弘,松﨑桂一,小林宏司
  Photogrammetry による生薬標本の立体画像作成における画像処理の方法
  日本薬学会第142年会,名古屋(オンライン),2022・3

4)仲田帆花,張替里菜,東田侑大,中野航平,矢作忠弘,高宮知子,松﨑桂一,小林宏司
  立体画像化した生薬標本を科名別に分類した Web サイトの構築について
  日本薬学会第143年会,札幌,2023・3

5)張替里菜,仲田帆花,東田侑大,中野航平,矢作忠弘,高宮知子,松﨑桂一,小林宏司
  立体画像化した生薬標本を和名別に分類した Web サイトの構築について
  日本薬学会第143年会,札幌,2023・3

参考文献

1)北中進,寺林進,高野昭人
  『カラーグラフィック 薬用植物[第4版]』(2015,廣川書店)

2)矢作忠弘,石内勘一郎,渥美聡孝,三宅克典,森永 紀,伏見裕利,大山雅義,森川敏生,
  田中 謙,有田正規,牧野利明
  歴代教科書・解説書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化(1)
  生薬学雑誌 71 (1), 1 -19(2017)
  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspharm/71/1/71_1/_pdf/-char/ja

3)矢作忠弘,石内勘一郎,渥美聡孝,三宅克典,森永 紀,伏見裕利,大山雅義,森川敏生,
  田中 謙,有田正規,牧野利明
  歴代教科書・解説書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化(2)
  生薬学雑誌 71 (1), 20 -36(2017)
  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspharm/71/1/71_20/_pdf/-char/ja